人と近接しても不快に感じない範囲を『パーソナルスペース』といいますが、男性と女性でどのような差異があるのでしょうか。意味や男女差、特徴などを解説します。距離をコントロールすることで、気になる相手に対して効果的にアプローチしましょう。
そもそもパーソナルスペースとは
誰かが自分に接近してきたとき、人は無意識に不快に感じない程よい距離をキープしようとします。
このように、誰が近付いてきても不快に感じない空間の範囲のことを『パーソナルスペース』と呼びます。どんな意味を持つ言葉なのか詳しくチェックしてみましょう。
人が持っている縄張り意識
乗り物の座席や飲食店などで人と距離が近付くと、相手に対して気まずさを感じることはありませんか?
満員電車などで、他人と密着することで嫌な気持ちになったことがある人は多いことでしょう。
これは人が持っている縄張り意識の一種だといえます。人は、他人が自分のスペースの内側に侵入すると嫌な気持ちになります。
このような『人が持っている縄張り意識』を現しているのが、パーソナルスペースなのです。
親密度によっても広さが変わる
好意をもった相手と話すとき、人は自然と顔を近づけたり、体を近付けたりする傾向があります。
反対に、苦手な相手、上司や初対面の人などの緊張してしまうような相手と話すときは、思わず距離を取ってしまうものです。
このように、人と接するときの心地よい対人距離は、相手との仲のよさや親密さが関係しています。
仲のよい相手や好意を抱いている相手とは距離が近くなり、苦手な相手ほど遠ざかりたいと考えるのは、人間としてとても自然なことなのです。
男女によるパーソナルスペースの違い
性別によってスペースの広さや形状が異なり、範囲には男女差があるということが研究によって分かってきています。
性別によって、人と対面したときの距離の感じ方が違ってくるのです。具体的にはどういった特徴があるのでしょうか?
男女差は形に表れる
人が入ってきても不快に思わない距離の範囲は、性別によって異なるといわれています。
男性の場合は、自分の前方に向かって範囲が広くなる、『楕円形』が特徴です。それに対して、女性の場合は形状が自分の周りを『円形』に範囲が広がっていくイメージで、均一な範囲だといわれています。
男性の方が女性より広い傾向
形状の違いからも分かる通り、『男性の方が人に対しての許容範囲が狭く、相手との距離が近い』と感じやすい傾向があるでしょう。
反対に、『女性の範囲は男性よりも小さく、ある程度の親しい相手であれば、近くに寄っても大丈夫』だという人が多いのです。
男性が女性のボディタッチに弱く、至近距離で話しているとその人との仲が深まったと感じやすいのは、こういった形状や広さの違いが原因でしょう。
男女差以外にも国民性でも違いがある
男女差だけではなく、人との距離感は国民性によっても違いがあります。
たとえば、日本人は列をつくるときなど、ある程度間隔を空けて並びますが、中国などはかなり人と密着することが多く、距離感が近い人が多いという特徴があります。
ラテンやアラブ系の国の人達は、北米の国の人達よりも他者との距離感が狭いという研究結果もあり、国民性によって違いがあるということが分かるでしょう。
スペースの広さから見るその人の特徴
対人距離の許容範囲は、その人の性格によっても変わることがあります。
広い人と狭い人では、どういった違いがあるのでしょうか。それぞれの性格の特徴について紹介していきます。
広い人は警戒心が強い
人と接するときに距離を置きがちな人は、『相手に対して警戒心が強く、保守的な人』が多いでしょう。
自分のスペースに他人が入り込むのを気にしてしまう繊細な心を持ち、少々神経質で内向的な性格だといえます。
警戒心が強いため、親しい人以外が近寄ってくると、無意識のうちに遠ざかったり、体を背けてしまったりするでしょう。
狭い人は好奇心旺盛
『好奇心旺盛で人懐っこい性格の人』は、話すときに顔が近かったり、至近距離に立ったりすることが多いでしょう。
このタイプの人は、他人がスペースのかなり内側に入ったとしても、特に気にしなかったり、自分から相手のスペースに入り込んだりしてしまう傾向があります。
性格的には物怖じしない外向的な人が多く、肩を組んだりハグをしたりすることにも抵抗をあまり感じないという人も少なくありません。
パーソナルスペースは恋愛でも利用できる
人との距離というのは、精神的にも大きな意味があります。相手と話しているときの間合いこそが、その人自身との親密度に関係しているからです。
人は距離が近付くほど相手と親しくなったと錯覚しやすいといえるでしょう。こういったことから、『相手との距離』というのは恋愛を進展させるうえでも、大切なポイントになります。
人と接するときの距離を活用したテクニックを使って、気になる異性との距離を縮めていきましょう。
いきなり距離を詰めてみる
男性との距離が近付いた瞬間に、思わずドキッとしてしまった経験がある女性も多いでしょう。
実は、何かの拍子に体や顔を急に近付けると、相手はドキドキするため、異性として意識してもらいやすくなります。
物を取るときに近寄ったり、相手が何か見ているときに自分ものぞき込んでみたりと、自然な感じで距離を縮めるとよいでしょう。
このとき、露骨にボディタッチをして、不自然に近付いてしまうと「馴れ馴れしい女性だな…」と逆に嫌悪感を抱かれてしまう恐れがあります。
気になる彼に近付くときは、さり気なく距離を詰めてみるとよいでしょう。
男性には前、後ろからアプローチを
男性のパーソナルスペースは前に広がっていると考えられているため、目の前に立ったり、前から急に近付くとドキドキしたりしやすいでしょう。
好きな男性をドキッとさせたい女性は、前から距離を縮めるように、会話中に体制を移動させてみるのがおすすめです。
また、男性が感じる人に対する許容範囲について、後ろはあまり意識していないということもいわれています。
後ろから話しかけることによって、警戒心を刺激せずに済むので、徐々に親しくなりたい人は『いつもは後ろから話しかけて、たまに正面から近寄る』という緩急をつけた方法を試してみましょう。
香りだけをスペースに届ける方法も
気になる男性に近付いたり、対人距離の範囲に入ったりするのは恋愛を進展させるためには大切なことです。
しかし、いつでも彼のすぐそばに近付けるわけではなく、時には距離を詰めるのが難しい場合もあるでしょう。
こういった場合におすすめなのが、『香り』を使ったテクニックです。香水やボディスプレー、シャンプーの香りなど、あなた自身を連想させるような香りを常に身にまとうようにします。
この香りを、彼が1人になったときに感じると、脳内であなたのことを思い出してしまうのです。
香水などきつい匂いが苦手な男性もいるため、つけすぎには注意が必要ですが、直接距離を詰められないシチュエーションでも、香りであれば近付くことができるでしょう。
まとめ
『パーソナルスペース』は、その人の性別や元々の性格などによって広さが変わるものです。距離感からその人の特徴を知ることも可能でしょう。
距離感のコントロールは、恋愛におけるコミュニケーションにも利用できます。相手に近付いてドキッとさせたり、自分の存在をアピールしたりするためのテクニックの一つとして、うまく活用してみましょう。