セックスレスのカップルは意外と多くいます。同棲カップルも夫婦も、さまざまな要因でセックスレスになる可能性があるというわけです。では、どのようにすればその状態を解消できるのでしょうか。セックスレスの定義と要因・対処法を解説します。
そもそもセックスレスとは
セックスレスは深い悩みに発展する可能性のある状態です。どのような状態をセックスレスと呼ぶのか、その定義を解説します。
セックスレスの定義
日本性科学会では、セックスレスの定義を、『特別の理由がない』のに、『1カ月以上性交渉やセクシュアル・コンタクトがない』状態と定義しています。
この場合、必ずしも挿入の有無は問いません。夫婦がお互いに満足しているのであれば、ペッティングといった触れ合う行為だけでもセクシュアル・コンタクトとして考えます。
そして、1カ月以内にそうした行為があれば、セックスレスとは言いません。
特別な理由がないのに性交渉がない場合、どちらか一方が拒んでいるケースや、二人とも興味がなくなっているケースが考えられます。
男性と女性の性欲の違い
男性と女性では、性欲を感じる年齢のピークに違いがあります。
男性は年齢とともに性欲が減少していくと言われています。ピークは10代という説もあるほどで、あとはどんどん衰えていくばかりです。30歳を過ぎた頃からは精液の量も減り続けます。
実感としては『20代後半くらいから性欲が低下していることを感じる』男性が多いようです。
一方、女性は30歳を過ぎた頃からセックスを積極的に楽しめるようになると言われています。ホルモンが安定してくることや、経験を重ねることでオーガズムに達しやすくなることが、その理由です。
そのため、カップルによっては、一方が性欲を強く感じていても、もう一方が全くその気になれない、ということも起こり得ます。
コミュニケーションがとれていない?
日ごろからのコミュニケーション不足が、セックスレスにつながっている可能性もあります。
セックスは単に性的欲求を満たすためだけの行為ではありません。お互いに愛し合っていることを実感し『満足感を得るもの』です。
どちらか一方が性的欲求を満たすためだけに行為をしていると、どうしても満たされている感じが得られません。
どちらか一方でも満足できていなければ、だんだんとセックスレスになっていく可能性があるでしょう。
同棲カップルがセックスレスになる要因
同棲カップルはそうでないカップルよりもセックスレスになりやすい傾向があるといわれています。実際に約40%のカップルが、同棲してから回数が減ったと実感しているそうです。
相手がいつもそばにいるから
結婚しているわけではなくても、同棲していると生活を共にし、一緒にいる時間も増えます。
すると、セックスは『会えたときだけできる特別なもの』から『いつでもできる日常的なもの』に変化するというわけです。
いつでもできるという安心感から、ちょっとしたタイミングのズレによって見送ることも多くなります。結果的に、同棲前よりもセックスの機会が減ってしまうというわけです。
嫌な部分も知ってしまうから
いつも一緒にいると、相手のイヤな部分も見ることになります。同棲前には見たことのない表情や、感情的になった姿も目の当たりにするでしょう。
以前とは違う恋人の姿を見ることで、一緒に『セックスする相手として見られなくなってしまう』ということも考えられます。これまでの恋が一気に冷めた状態です。
また、同棲中に起こるさまざまなことを重ねて、二人の距離感は縮まるかもしれません。しかし、だからこそ、セックスの相手としての魅力が薄れてしまう、という部分もあります。
身近で大切な家族のような存在になったからこそ、セックスができないという状態になってしまうのです。
夫婦がセックスレスになる要因
セックスレスに陥る夫婦が抱える代表的な要因は、二人の関係性と個人的な問題です。どちらか一つが要因の場合も、二つとも要因になっている場合もあります。
二人の関係性の問題
もしも、今セックスレスとなり体を閉ざしているのだとしたら、心もがっちり閉ざした状態である可能性が高いです。
もしかしたら、過去に夫婦間のコミュニケーションで、『傷ついたり怒ったりした』ことがあるのかもしれません。
そのときの、傷ついたり怒ったりした気持ちを、相手への非難として表現してしまうと、相手も同じように傷つき怒って心を閉ざします。そしてセックスレスに発展するというわけです。
セックスの誘いを断られたという経験も、心が傷つく原因になることがあります。拒否すること自体に問題はありませんが、拒否してもされても二人の間は安心という感覚が育っていないからこそ、傷つくのです。
個人的な問題
病気や精神的な課題など、個人的な問題によってセックスレスになるケースもあります。例えば、性機能不全でセックスができない場合や、身体的な性と精神的な性が合致しない状態である場合です。
性被害に遭ったときのつらい気持ちに苦しんでいる、というケースもあります。また、統合失調症やうつ病による意欲低下が原因で、セックスレスになることもあるそうです。
セックスレスの解消方法
さまざまな原因で引き起こされるセックスレスは、どうすれば解消できるのでしょうか。代表的な解消方法を紹介します。
マンネリになるのを防ぐ
「セックスができない」と感じていても、それはいつも同じセックスばかりで飽きているだけかもしれません。ちょっとした変化を取り入れると、驚くほど自然にセックスできることがあります。
実際に、セックスレスのカップルが、ホテルだとすごくドキドキして盛り上がった、ということもあるそうです。
場所を変える・照明を変える・触れる順番を変えるなど、少し変化を取り入れてみましょう。流れ作業のようなセックスではなく、次に何が起こるのか分からないようなドキドキ感が、セックスレスを解消します。
スキンシップを欠かさない
日常的なスキンシップを欠かさないことも、セックスレス解消に役立ちます。新婚当初や同棲当初はやっていた『いってきますのキス』がいつの間にかなくなっていませんか?
セックスもスキンシップの一つです。日常的にスキンシップをしていない状態では、そのハードルは高まるばかりでしょう。
まずはそっと手に触れるだけでも構いません。できるだけ日常的にスキンシップすることを心がけてみましょう。
相手への愛情を持ち続ける
セックスは愛情がなければできません。いくら夫婦であっても、好きではない相手と行為に及ぶのは苦痛のはずです。
そこで、相手への『愛情を持ち続ける努力』をしましょう。スキンシップを欠かさないこともそうです。相手のよいところに注目して褒めたり、逆に褒められたら素直に「ありがとう」を伝えてみたりします。
誕生日や記念日を二人でお祝いするのも素敵です。そうした長年の優しいやりとりが、素敵なセックスにつながり、セックスレスを解消します。
まとめ
セックスレスとは、1カ月以上性交渉やセクシュアル・コンタクトがない状態のことです。
原因はさまざまで、同棲や結婚によって相手を身近に感じすぎてしまった、過去の傷ついた経験で心を閉ざしてしまった、といったことが挙げられます。
深刻な悩みにもつながりかねないセックスレスを解消するには、セックス自体のマンネリを防ぐ工夫や、日々のスキンシップや愛情表現の努力が大切です。
日々の良好なコミュニケーションの積み重ねが、満たされるセックスにつながります。