好きな人の前で、緊張のあまり汗が止まらず困った経験はありませんか?いざというとき慌てることのないように、具体的な汗の抑え方や緊張の和らげ方を確認しておきましょう。緊張したときに汗をかいてしまうそもそもの理由についても紹介します。
緊張した時に汗をかく理由
そもそも、人はどうして緊張すると汗をかいてしまうのでしょうか。まずはその詳しいメカニズムからチェックしていきましょう。
精神性発汗と呼ばれる
運動後や暑さを感じたときに出る汗を『温熱性発汗』というのに対し、緊張やストレスなどの精神的な要因でかく汗のことを『精神性発汗(緊張汗)』といいます。
精神性発汗が起きるメカニズムはまだ完全には解き明かされていませんが、その過程には自律神経が大きくかかわっていると考えられています。
自律神経には、活発に活動をしているときに活性化する『交感神経』と、安静時に活性化する『副交感神経』とがあります。
このうち、発汗をうながす作用を持つのは『交感神経』です。ストレスや緊張などの精神的な負荷により自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になった結果引き起こされるのが『精神性発汗』とされているのです。
普通にかいた汗との違い
一見同じように見える『普通にかいた汗(温熱性発汗)』と『精神性発汗』ですが、実はさまざまな違いがあります。
まず大きな違いとしてあげられるのが、汗をかく場所です。普通の汗は、ほぼ全身で発汗が見られるのに対し、精神性発汗の場合は『手のひら』『足の裏』『脇』などが主な発汗箇所です。
また、成分にも大きな違いがあります。普通の汗がほぼ水分なのに対し、精神性発汗はタンパク質やミネラルを含みます。一般的に、精神性発汗の方がにおいが強いとされていますが、その原因は汗に含まれるこれらの成分にあると考えられています。
汗を抑えるには?
好きな人の前で汗をかかないようにする方法は、なんといっても『汗を抑える』ことです。挑戦しやすいおすすめの汗の抑え方を三つ紹介していきましょう。
制汗剤を利用する
汗を抑える方法として、手軽でポピュラーなのは『制汗剤を利用する』という方法でしょう。
制汗剤には『スプレータイプ』『ロールタイプ』『直接手で塗るタイプ』などさまざまな種類のものがあり、ライフスタイルや好みに合わせて選べます。
近年では、物理的に毛穴を塞ぐことで発汗を抑える『塩化アルミニウム』を含んだ製品も販売されており、汗の悩みを抱える人に広く利用されています。
なお、よく混同される『デオドラント』と『制汗剤』ですが、この二つはまったくの別物です。デオドラントは、あくまでもにおいを抑えることに特化した製品であり、制汗剤のような汗を抑制する効果はありません。気を付けて活用しましょう。
ツボ押しマッサージも効果的
「吹き出す汗を、今すぐになんとかしたい」という非常事態には、ツボ押しマッサージが効果的です。ここでは、いつでも実践できる手のひら周辺のツボを紹介します。
- 後谿(こけい):手を軽く握ったときにふくらんで見える小指の付け根下の部分
- 陰郄(いんげき):手のひらを上に向け、小指側の手首のシワから約1.5cm下の部分
- 合谷(ごうこく):手の甲側の親指と人差し指の骨が合流する箇所からやや人差し指側にあるくぼみ
その場で汗を抑えたいというときは、これらのツボを気持ちよいと感じる程度に刺激してみるとよいでしょう。
ハンカチを用意しておくのもポイント
緊張のあまり汗をかいてしまったとき、より事態を深刻にするのが『ハンカチなどの拭くものがない』という状況です。
このような場面では、かいてしまった汗を隠せないという焦りから、より一層緊張が高まり汗が吹き出してしまうという悪循環に陥ってしまうことが少なくありません。
そうした事態を防ぐためには、常にハンカチを携帯しておくのがおすすめです。汗をかいても大丈夫という安心感が、そもそもの汗の原因である緊張を消し去ってくれるでしょう。
緊張を和らげる方法
精神性発汗は、緊張が原因で起こるものとされています。好きな人の前で汗をかくのを防ぐ方法として、緊張の和らげ方をチェックしておきましょう。
緊張してしまうことを悪く思わない
緊張が起きるときの特徴として、『緊張していることを意識すればするほどに悪化する』というものがあります。
では、どうして緊張していることを意識してしまうのかといえば、無意識ながらも『緊張は悪いこと・恥ずかしいこと』という考えがあるからでしょう。
しかし本来、緊張は決して悪いものではありません。むしろ、人として自然な感情です。緊張している自分を肯定的にとらえ、受け入れることができさえすれば、自然と緊張は和らいで汗の悩みからも解放されるでしょう。
呼吸を整えて緊張を和らげる
どんなに頑張っても緊張を抑えられないという人は、緊張時の対策としてぜひ『深呼吸』を取り入れてみましょう。呼吸を整えることで副交感神経が刺激され、リラックス効果が得られます。
深呼吸には、決まったやり方はありません。たっぷりと深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出せばOKです。10回程度繰り返すうち、不思議なほど落ち着きを取り戻していることに気付くでしょう。
まとめ
「好きな人の前だと、緊張で汗が止まらない」そんな悩みを持つ人は少なくありません。
この緊張から出てしまう汗は、『精神性発汗』と呼ばれるもので、交感神経が優位になることで起きるとされています。
この精神性発汗を抑える方法としては、制汗剤の使用やツボ押しなどが効果的ですが、根本的な対処法はやはり緊張を和らげることでしょう。
緊張している自分を受け入れつつ、深呼吸なども取り入れて、好きな人の前でも堂々と振る舞える自分を手に入れましょう。